自意識過剰
2024年5月31日
こんにちは、ライター部門の西田です。
あなたは自分というものがありますか?
こう書くと道徳の教科書か、怪しい勧誘か何かの一文に見えますが、もう少し科学的なお話です。
最近、脳科学の点から見た「意識」についての本を読んだのですが、そこにはなかなか刺激的なことが書かれていました。
自分が何かをする時には、自分の意思で行動していると認識しているが、実はそうではないかもしれない…といった内容です。
例えば、熱いやかんなどに触れてしまって「熱っ」と手を引っ込めたことはありますよね。その時、なぜ手を引っ込めたのかと聞かれたら、「熱いと感じたから手を引っ込めた」と答えると思います。この本では、その認識は誤りだと言うのです。
人には「脊髄反射」といって、急を要する危険から身を守るために、五感から受けた刺激を脳で処理する前に、脊髄から命令を出してすばやく行動させる機能があります。
つまり、順番としては、「手に熱いものが触れた(刺激)」→「手を引っ込めた(行動)」→「熱いと感じた(脳)」が正しいのですが、脳が自分の行動の理由を辻褄の合うように認識してしまうので、「熱いと感じたから手を引っ込めた」と感じてしまうそうです。
上記は極端な例かもしれませんが、他にも左脳と右脳の情報を受け渡しする脳梁の切断手術を受けた方や、病気で脳に障害を負った方の例などからも、脳が辻褄を合わせるために、自分がした行動の理由を現実とは捻じ曲げて認識させることがあるそうです。
自分なりに理由があって、意思を持って行動しているはずなのに、実はそうじゃないかもしれない…なんて少し怖い気がしますが、逆に考えると、コンビニに寄ったら余計なお菓子を買ってしまうのも、今年こそ運動を習慣にしようと思っているのに3日坊主になるのも、私の意思ではないからなのでしょう。きっと。