砂の話
2025年6月2日
デザイナーの寺垣です。
よろしくお願いいたします。
「砂」という単語から連想されるものはたくさんあります。
砂浜、砂丘、砂漠、砂時計、砂金、砂糖…などなど。また、砂を用いた比喩的な表現には、不安定を意味する「砂上の楼閣」、虚しさを意味する「砂をかむよう」といった言葉もございます。
さて先日、『砂像』を観てまいりました。鳥取砂丘「砂の美術館」にて第16期展示「砂で世界旅行・日本」が開催中とのことで久しぶりに訪れました。
「砂」と「水」だけを素材として砂像彫刻家の手によって命を吹き込まれた彫刻作品は、その迫力に圧倒させられます。すごい!すごいです!
一粒一粒は小さな砂ですが、かつては大きな岩だったのでしょうか。岩が風化し侵食されて細かく砕け、川や風によって長い年月をかけて細かく削られていきます。そんな小さな「砂」を素材にして、細部まで創り上げられた砂の造形は美しく、驚きと感動を与えます。見学中の写真、動画ともに撮影可能でSNSやブログへの投稿も良いとのことで、大変多くの来館者で賑わっておりました。
砂像彫刻家の情熱により創り上げられたその作品は、会期が終われば全て崩してもとの砂に戻されるのですが、そこが『砂像』の魅力のひとつでもあります。限られた期間しか存在することができないのです。生まれて変化して消える、そしてまた再生をするというサイクルにあることを実感いたします。
何事も今この時間を大切にして、万難を拝して進んでいきたいものです。と思える『砂像』鑑賞でした。

